漫画紹介【ブラックジャックによろしく】
第3回漫画紹介【ブラックジャックによろしく】
作者:佐藤秀峰先生 監修:長屋憲先生(医療情報研究所)
出版社:講談社 モーニングKC
10巻まで無料で読むことができます。
あらすじ
みなさん、ブラックジャックという漫画をご存知でしょうか。日本人なら多くの人が手に取って読んでことがあると思われる手塚治虫先生が書いた天才外科医の話である。ブラックジャックは、無免許医として数々の奇跡と言われる手術を行なっていく。
しかし、今回紹介する本は「本当の医療業界は違う」と言わんばかりの内容である。
「オレもさ、教授の手伝いでさ、3時間しか寝ていない」
「じゃ、オレの勝ちだ。2時間しか寝てない」
とドヤ顔でいう”ちょっとイタイ”主人公斎藤。彼は、永緑大学医学部を卒業して、永緑大学附属の研修医として働いている。研修医の労働環境というのは、我々が考えるより過酷である。「1日平均労働環境16時間・月給3万8千円」日給ではなく、月給というのだから驚きである。しかし、これは特別に待遇が悪い訳ではない。研修医の月給は、”10万円以下”の所が7割を占めるという。
この内容は聞くと、相当過酷な労働環境であることが伺える。しかし、現実はもっと厳しいものである。医療費を多く取れる”交通事故”の患者しか受け入れない現場、大学の名を使い町医者に圧力をかける現場、手術で最初の切開しかしないのに”奇跡の名医”と呼ばれる先生。
私たちの誰かが毎日通っている病院の”裏”はこの様な状況になっている。それが全て悪いというわけではない。しかし、我々が抱いている医者への希望や期待といったものが一度考えさせられる内容になっている。外科や乳幼児、ガン患者などどの様に命に向き合っていくべきなのかぜひ皆さんで読んで考えてみてください。